養子の声

  • 養子として育つことを恥ずかしいと思っていた時期もありました。その頃は、自分の理解不足と自信のなさから、わたしに問題があって愛されていないのだと思い込んでいました。今は、自信をもって自分の経験を周りの人に伝えることができます。
  • 子どもたちがもっと養子縁組されるよう手助けをしてください。家族がいる、ということほど、すばらしいことはありません。
  • 自分の体験が素晴らしいものであったから、私も養子を迎えたいと思っています。

養父母の声

  •  私たち夫婦は同じ遺伝子と血を受け継いでいるきょうだいを迎えることができて、とても幸運でした。きょうだいには特別なつながりがあります。上の子を引き取った際には、タイミングの問題でしばらく施設にとどまらせてしまい、申し訳なく思いました。下の子の養子縁組を打診されたときには、素早く準備を整えて、引き取りました。私たち夫婦は、きょうだいは一緒にいることが自然で正しいと考えて、決断をしました。(実のきょうだいを養子に迎えた養父母)
  • 養子縁組は、私たちが家族になるプロセスそのものでした。さまざまな困難にも直面しましたが、幾度となく大きな喜びをもたらしてくれました。養子として迎えた子どもたちが私たちに、生みの家族に対するような愛着を持てないことは、わかっています。しかし、どんなに最高の家族であっても、きずなを築くには苦労がつきものだと思います。養子縁組は、私たち夫婦の生活を変えました。困難を経験するなかで私たち夫婦のきずなは一層強まりました。そして、養子縁組によって、子どもたちが将来の可能性や選択肢をもてたことを誇りに思っています。養子縁組は、私たち家族、そして私たち一人ひとりの人生を書き換えるほど、大きな影響力をもっています。(実のきょうだいを養子に迎えた養父母)
  • 喪失がない養子縁組はありません。養子縁組はすばらしいことですが、厄介で悲しく、複雑であることを理解し、受け入れる必要があります。しかし、親を必要とする子どもと養子縁組によって家族になることは、私たちが今までに経験したことがない最高の、そして最も重要な出来事です。
  • 私が産んだ子どもではありませんが、この子を育てながら、愛を与え続けられることは、とても素晴らしいことだと思います。この子が私たち家族に迎えいれるまでお世話をしてくださった施設の皆さんに感謝をしています。

ルーツ探しを始める前の養子の気持ち

  • あなたが生みの母(つまり、私が探し続けていた女性)であるならば、私はぜひ連絡をとりたいと思っています。そして、いつか会いたいです。わたしはあなたの了解なく、連絡をとったり、会ったりするつもりはありません。でも、あなたを知ることによって、私はたくさんのことを得ることができるでしょう。私がこれまでの人生で抱いてきた問いの答えを得ることができると思っています。
  • ここ数年、ほぼ毎日、生みのお母さんのことを考えていました。ずっと考えてきたので、一刻でも早く会いたいです。僕がお母さんに会いたいのは、自分がどこからやって来たのかを知りたいからです。もしお母さんが18年前に違った選択をしていたら、今の僕はなかったでしょう。お母さんには、養子縁組という選択は間違っていなかった、と伝えたいです。と同時に、今の僕のことを知ってもらい、誇りに思って欲しいのです。今の家族に迎えられてから、いくつもの夢を叶えることができました。これからの人生にワクワクしていますが、できれば僕の生みの家族にも、僕のこれからの人生に加わってほしいと思っています。

ルーツ探しで養子と再会した生みの母の声(手紙から)

  • ルーツ探しで養子と再会した生みの母の声(手紙から)
    > あなたを養子に出したことについて、ずっと謝りたいと思っていました。あなたはまだ3歳というとても小さいときに、突然、別の世界に連れていかれてしまったのですから。わたしはなんて乱暴なことをしてしまったのだろう、と思い返す度に涙にくれていました。心から申し訳なく思います。もうそう長くは生きられないと思っていたこの時期に、あなたに会えたことを感謝しています。
  • 遠くから日本を訪ねてくれて、ありがとう。あなたはこの私に幸せを運んできてくれました。そして、いつもわたしの健康と幸せを祈っていてくれて、ありがとう。とても、うれしい。あなたの優しさが伝わってきます。私の心のなかにもあなたがずっといたのは、私の母としての心なのです。わかってください。