2026年度新規事業「移住女性のキャリア支援の仕組みづくり」が始動しています!

今年度は、日本財団による助成を受け「移住女性のキャリア支援の仕組みづくり」を実施します。

背景

近年、外国人労働者(と、その予備軍としての留学生)の受け入れが進められる中で、家族として来日し、日本社会で暮らす人も増えています。
来日した家族は、学齢期の子どもであれば、地域の小学校や中学校に編入していきます。しかし、家族をケアする役割として来日した人――その多くは妻であり母である女性――は、家庭以外での所属を持たず、家事や育児を一手に引き受けています。その中には、「働いて社会とつながりたい」「本国でのスキルを活かして、キャリアを継続したい」という強い思いを秘めている人も少なくありません。
ISSJが目指すのは、そのような「日本でのキャリアの道筋を描けずにいる女性たち」が、孤立せず、その豊かな可能性を発揮できるような社会をつくることです。

これまでの歩みと新たな挑戦

これまで、ISSJでは「社会との接点が希薄な移住女性のための日本語教室」や、「難民の背景を持つ移住女性の社会統合促進事業」を実施してきました(詳細はこちらから)。
これらの実践から確信したのは、学ぶ機会が確保され、その「道筋」が見えれば、移住女性たちは自らの力で自らの可能性を拓いていく力を持っているということです。しかし、家族として暮らしている移住女性のキャリア支援は、現在の日本社会においてはまだあまり重要視されていません。

4月から始まった新しい事業「移住女性のキャリア支援の仕組みづくり」では、これまでの事業やそこで得られた知見を大切に引き継ぎながら、さらに一歩進んで、「この支援を社会に定着させ、維持させていく仕組み」を考えていきます。
すなわち、ISSJが大切にしてきた一人ひとりへの支援を積み重ねるだけでなく、その経験・知見を整理し、地域や関係機関とも共有しながら、「社会の仕組み」として育てていける可能性を探ること。それが、今年度の目標です。

具体的な取り組み

① キャリア支援プログラムの実施
これまでの実践から、「道筋」を見つけるために必要なことは、必ずしも言語の置き換えではなく、適切な情報へのアクセス、心理的安全が確保されたプログラム設計、手続き上の細かな障壁への対応、想いの言語化のサポート、継続のための環境調整、モチベーションを維持する関わりの継続だと考えています。
実際にプログラムを動かしながら、汎用性や持続可能性のあり方を検討していきます。

② ニーズと課題の調査
当事者である移住女性や、いくつかのコミュニティでのヒアリングを実施し、当事者の視点での障壁を明らかにします。合わせて、外国人を対象とした職業訓練や、女性のリスキリング、創業支援など既存の取り組みを調査します。この二つの視点を組み合わせることで、何が既存資源へのアクセスや継続、活用の障壁となっているのかを考察し、仕組みづくりに活かしたいと考えています。

③ 地域や専門機関との関係づくり
ISSJだけで完結するのではなく、関係機関と手を取り合って進めていくことが不可欠です。そのため、事業実施への協力も視野に入れながら、他機関にアプローチし、既存の取り組みの中で移住女性がどのように位置づけられ得るのか、共に考えていきたいと思います。

わたしたちがめざすもの

わたしたちが思い描くのは、移住女性が「家族をケアする役割」だけに留まらず、一人の自立した個人として、(それを希望する場合には)社会に参加し、自らの意思でキャリアを描いていける社会です。
母親が地域・社会の中で生き生きと活躍する姿は、子どもたち、次の世代にもポジティブな影響を与えると言われています。
私たちが得た気づきや経験を、誰もが活用できる「仕組み」として社会に共有し、他の地域や組織でも持続していける土台を築いてけるように取り組んでいきたいと考えています。