2020年度のISSJ事業のご報告~養子縁組と養子縁組後の家族支援編~

2020年度の養子縁組相談件数は190件、前年度より約27%増加

2020年度の養子縁組の相談は190件寄せられ、前年度よりも約40件増加しました。ISSJの相談者の特徴は、相談者の国籍が18ヵ国と多岐に渡ることです。相談の約8割は養子を迎えたいという養親希望者からのものですが、昨年度の特徴として、新型コロナウイルス感染の影響から相談先が見つけられない外国籍の女性から「養子に出したい」という妊娠相談が増加しました。コロナ禍で委託前の施設実習などもなかなか実施が難しい1年でしたが、2名の赤ちゃんが2家族に迎えられました。

養子縁組後の家族に対する支援スキル向上を目指した研修の実施

今年度、ISSJでは新たに養子縁組後の相談窓口を立ち上げました。10月の開設からおよそ4ヶ月間で13件の新規相談を受けています。ISSJ以外の団体で養子縁組をした方の相談が多く、こうした相談窓口が求められているということを日々のご相談から改めて感じています。相談の約8割は養子の方からのもので、相談者の年齢別に見ると、半数以上を20〜30代が占めました。

この養子縁組後の相談対応はまだまだ発展途上です。養子縁組に関する何の記録に誰がどのようにアクセスできるのか、また、様々な背景がある養子縁組の経緯や記録を養子本人にどう伝えるのか等、さまざまな検討が必要です。そのため、昨年度の事業では英国におけるポストアダプションサービスのノウハウに関する研修や、記録について学ぶアーカイブズ学の研修を受け、相談窓口支援のスキル向上の機会を持ちました。今後もこうした研修を重ね、相談者の想いに応えられるサポートを目指します。