若者たちの声

日本での就職や社会的自立を強く願いながらも、在留資格や家庭状況の制約により一般的な奨学金制度を利用できず、進学をあきらめざるを得ない若者たちがいます。

初年度となった2024年は、関東と関西を中心に16名の応募がありました。日本生まれの若者から、昨今の世界情勢を受けてここ数年のうちに来日した人まで、来日時期や背景だけでも多岐に渡りました。書類選考と外部選考委員会による面接を経て、7名が第1期生として採用されました。一部の採用者の声を紹介します。

若者たちの声

日本で暮らす人の役に立ちたい

私の目標は、外国人が日本で安心して暮らせるようにサポートするソフトウェアの開発です。そのために、情報技術とソフトウェア開発を専門的に学べる大学への進学を決めました。経済的な理由から、四年制大学ではなく短期大学を選択しました。特待生選抜入試にも挑戦しましたが、残念ならが不合格となりました。ですから、この奨学金のサポートは自分にとって本当に大きな意昧を持つものです。経済的に困っている生徒は他にもいます。そういった人たちへのサポートを続けていってほしいです。(短期大学進学、男性)

入学式の様子(本人提供)

日本で暮らす人の役に立ちたい

私の目標は、外国人が日本で安心して暮らせるようにサポートするソフトウェアの開発です。そのために、情報技術とソフトウェア開発を専門的に学べる大学への進学を決めました。経済的な理由から、四年制大学ではなく短期大学を選択しました。特待生選抜入試にも挑戦しましたが、残念ならが不合格となりました。ですから、この奨学金のサポートは自分にとって本当に大きな意昧を持つものです。経済的に困っている生徒は他にもいます。そういった人たちへのサポートを続けていってほしいです。(短期大学進学、男性)


仮放免という現実と、夢への挑戦

看護師になることは、幼い碩からの夢でした。だから、高校卒業後は看護の専門学校に入学することを希望しましたが、仮放免という身分により、11校から受験を断られてしまいました。ようやく受け入れてくれたのが現在の専門学校です。通学に1時間程度かかり、授業や課題が多いだけでなく、学校や周りの人たちの仮放免という立場への理解が十分ではないと感じることも多く、続けていけるのかと心が折れそうになりますが、ここで諦めるわけにはいきません。やるしかないんです。(専門学校進学、女性)

専門学校の授業の間に(本人提供)

仮放免という現実と、夢への挑戦

看護師になることは、幼い碩からの夢でした。だから、高校卒業後は看護の専門学校に入学することを希望しましたが、仮放免という身分により、11校から受験を断られてしまいました。ようやく受け入れてくれたのが現在の専門学校です。通学に1時間程度かかり、授業や課題が多いだけでなく、学校や周りの人たちの仮放免という立場への理解が十分ではないと感じることも多く、続けていけるのかと心が折れそうになりますが、ここで諦めるわけにはいきません。やるしかないんです。(専門学校進学、女性)

ISSJの想い

制度の狭間に置かれた外国ルーツの若者たち

かつてソーシャルワーカーとしてISSJで勤務していた松本基子さんより、若者や女性のために寄付金を活用してほしいとのお話をいただき、ISSJらしい事業展開を検討していく中で形となったのが、この奨学金です。制度の狭間に置かれ、自助努力だけではどうにもならない、社会構造の歪みの中に立たされている外国ルーツの若者たち。本事業の実施によって、困難を抱えながらも前を向き続ける若者を応援するだけでなく、社会への問題提起もなればと考えています。

「日本社会に貢献したい」強い想いを実現するために

松本さんは、「祖国で教育を受けることが叶わなかった両親に育てられている子どもや、慣れない国での生活に精一杯な親の姿を見るにつけ、その子どもたちの日本社会での将来を案じてきた」と言います。1期生7名の置かれた状況や思い描く未来は異なりますが、ここで生きていくという覚悟と、専門性を身につけて日本社会に貢献したいという強い想いは全員に共通していました。これは、「様々な事情を抱えて来日した外国人が、日本で第二の人生を過ごすにあたっては、日本の役にも立ち、そして、本人の役にも立つ機会を得ながら生きていってほしい。それこそが教育」という松本さんの想いにも通ずるものです。変化の激しい社会の中にありながらも当事者の声を聞き、今のISSJにだからこそできる奨学金事業に育てていきたいと思っています。


皆さまからのご支援により、2度目の募集を実施することができました。心から感謝申し上げます。
これからも継続してより多くの若者を支えていくために、引き続き皆さまのご支援をお願い申し上げます。