国際養子縁組事業

現在、日本では少子化が問題となっていますが、その一方で、児童養護施設に預けられている子どもの数は増加しており全国で4万人を超えるとも言われています。

2008年厚生労働省は「社会的養護は養護施設から、より家庭的な養護に移行していくことが必要」(社会保障審議会報告書)と里親の委託率向上のための政策を打ち出していました。しかし、欧米などでは里親の委託率は約80%と高いのに対して、日本では約10%にとどまっているのが現状です。

ISSJは家庭的養護の重要性を認識し、「国際的児童家庭相談事業」を行ってきました。これは、施設に措置されている子ども、また望まない妊娠などで生まれた乳児など、実親が育てられない子ども達が国際養子縁組によって新しい家庭の中で保護され養育されるよう相談、支援する事業です。

「子どもの最善の幸せ」をモットーとするISSJは、子どもが安易に国際養子縁組に出されることのないよう慎重に実親と面接を行い、できる限り実親が子どもを育てることができるように支援します。そのなかで、養子縁組が子どもにとっても、実親にとっても最善と判断された場合、子どもにとって最善の養親家庭を選択します。養親家庭を選ぶ際には、養親候補者が子どもの年齢、人種的・民族的背景、障害の程度など、その子どものニーズを十分に理解し、受け入れる準備ができているかどうかを見極め、マッチングします。子どもを手放した実親へのカウンセリング、委託後から養子縁組後までの養子・養親へのケアにも力をいれています。

これはISSJの手法が、1993年に策定された「ハーグ国際養子縁組条約」を遵守しているからです。なぜなら児童ポルノ、臓器売買、強制労働目的に養子縁組が利用されることがないようにという願いがあるからです。

この条約は欧米、さらには中国やフィリピンなどにおいても批准され、国際養子縁組が中央当局によって管轄され、国際間の子どもの移動の安全を保障するものです。国内では養親候補者が見つからなかった子どもに国的視野で委託の可能性を広げたり、斡旋業者が不当な利益を得ないように、各国の中央当局が国際養子縁組を監督することなどが合意されています。しかし、日本は未だに批准していません。そのため、斡旋の実態は不透明で、養子縁組を目的に海外に渡った子どもの人数すら把握できていません。また、斡旋業者が養親候補者に高額の寄附を強要するなど人身売買まがいのトラブルも起きています。

ISSJは長年、国際標準に則って養子縁組を行ってきた実績があり、将来養子が実親との再会を希望した場合、援助をしています。そのためオフィスには過去50年にわたって行われた国際養子縁組の資料がすべて永久保管されています。また厚生労働省が2009年3月に児童相談所に向けて発した運営指針でも「国際養子縁組については、基礎資料作成や手続き、制限事項等について社会福祉法人日本国際社会事業団と十分連携を図ることが適当である。」と記載されています。

(この事業は、財団法人JKAの補助金を受けて実施しています)

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