ISSJ50周年記念式典UNHCR主席法務官挨拶
UNHCR(国連高等弁務官事務所)主席法務官
ディエーゴ ロゼロ
(代読 小田野晃己)
本日は日本国際社会事業団の50周年記念の式典にお招き頂きまして誠に有り難う存じます。 UNHCRを代表しここにご挨拶を述べさせていただきます。
私ども国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も昨年50周年を迎えましたが、日本国際社会事業団と同様、第2次世界大戦の後の世界情勢を受け、特定の人々(難民)を援助する目的で設立されました。その主な任務は、人道的な立場から、国籍国の保護を失った難民に「国際的な保護」を与え、同時に食料・医療・住居などの援助を行うこと、そして難民問題の解決をはかることです。2002年1月1日現在、世界で約1980万人(地球上の人口の316人にひとり)が何らかの形でUNHCRの「援助対象者(people of concern)」となっております。 UNHCRの実際の活動は、日本国際社会事業団のようなNGOのパートナーなしでは成り立ちません。難民キャンプなどの現場において実際に難民の人の生活を支えているのは、日本国際社会事業団のような難民に一番近いところにいるNGOなのです。
日本国際社会事業団とUNHCRのパートナーシップ関係は、国内のインドシナ難民の援助にさかのぼります。当時の日本社会は、一度に数千人規模の外国人を受入れ、そして援助をすることに対してまだ手探り状態でした。そこでUNHCRは、日本国際社会事業団をはじめとする日本のNGOと協力し援助をはじめました。インドシナ問題が落ち着いた近年においては、世界中から日本に毎年ほんの数百人ですが、難民が庇護を求めてやってきます。しかし、日本は難民条約に加入していますが、いまだに他の先進国に見られるような十分な受け入れ制度がありません。そこで、UNHCRが日本国際社会事業団にお願いし、協力関係を再構築し、難民や難民申請者への援助を進めてきました。
アフガニスタン・トルコ・エチオピア・ベトナム・スリランカ・ウガンダ・イラン・チャド・ソマリア・パキスタン・カメルーン・ミャンマー・イラク・インド・ロシアから、日本に保護を求めてやってきた難民・難民申請者の方々に、カウンセリング、職探し、医療問題、住居探し、そして、異国の地にきて不安に囲まれた難民・難民申請者の方々の生活一般 においてのアドバイスなど多岐にわたるケアをお願いしています。 また、今年からは、入国管理センターに足を運んでいただき、精神的に極限状態にある収容中の難民・難民申請者の方々へのカウンセリングもお願いしています。 自分の祖国から逃げてきて、言葉の通じない異国の地において、右も左も分からない彼らにとって、日本国際社会事業団様のカウンセラーの方々は、自分たちのことを心から心配してくれる「お母さん」とか「お姉さん」とよく本人達が言っているのを耳にします。 特に収容中の人から「ISSJのお母さんは、自分がまだここで生きていることを知ってて面 会に来てくれる唯一の救いだ」とも聞きました。ご自分のお体の調子がすぐれないときでも、担当されている難民に頼まれると、彼らのことを心配し都内を精力的に駆け回る献身的なお姿には頭が下がる思いです。
UNHCRは今後も日本国際社会事業団とのパートナーシップ関係を発展させ、さらに活発に、難民・難民申請者の方々にコミットし、さらには彼らが、日本社会にとっての重荷でなく、貢献し得る存在になれるよう、一緒に活動していけることを楽しみにしております。