本誌18号(2001年6月発行)で、ISSJが実施している国内難民および難民申請者への支援活動についてご報告いたしましたが、これまで実施してきた難民および難民申請者への生活適応援助に加え、今年2002年1月からは、収監されている難民申請者への面
会およびカウンセリング業務がUNHCRとの新たな契約事業に加わりました。ソーシャルワーカーが東京入国管理局(東京都北区)と東日本入国管理センター(茨城県牛久市)を定期的に訪問して、収監者と面
会し、体調の確認、彼らの意向をUNHCRや担当弁護士に報告し、収監されている難民申請者を精神的に支援する体制作りに取り組んでいます。また、それぞれの希望を確認のうえ、必要な物品の差し入れ(外部との連絡手段となる便箋や封筒、国際電話用のテレフォンカード、衣類、現金等)も行います。こうした支援活動の費用はUNHCRの援助金から拠出されています。収監者の中には、母国語しか話せない人もいるため、ソーシャルワーカーは通
訳者を同伴したり、日本語または英語を話す同国、同民族の収監者と組んでもらって、一緒に話を聴くこともあります。
収監者のなかには、収容生活が一年以上におよぶ人もいます。外部から隔絶されている彼らは、面
会人が途絶えると、自分が忘れられてしまったのではないかと不安に陥ります。いつ終わると知れない収容生活のなかで、収監者たちは、日本政府に難民として認定されるかどうか、また、母国に残してきた家族の安否を気遣い、身体的、精神的にも追い詰められています。収監人の多くは様々な身体症状を訴えます。なかには不安のあまり睡眠障害や摂食障害を引き起こす人、ハンガーストライキや自殺未遂を起こす人もいます。収監者たちは、迫害を逃れて日本に上陸し、難民申請をしたら自らの命が救われると信じていたものの、現実には長期の収容生活を強いられ、自由も人間としての尊厳も奪われてしまった、と悲痛な声を上げます。面
接室でガラス越しに接する私たちが、絶望に苛まれる彼らに対して出来ることは、非常に限られており、無力感に陥ることもしばしばあります。収監されている難民申請者の認定手続き状況は、審査結果
を待つ人、不認定処分に異議を申し出ている人、不認定処分の取り消し訴訟中の人など様々ですが、彼らに共通
するのは、一日も早く拘禁を解かれたいとの思いです。長期化する収容生活のなかで、日に日に疲弊していく難民申請者を目の当たりにするにつれ、彼らが収容所から放免され、自らの尊厳を回復する日が訪れることを願わずにいられません。その日がやって来るまで、彼らの精神的な不安を少しでも軽減できるよう、可能な限りの支援を続けていきたいと思います。
難民申請者の増加に伴い、女性または母子で援助を必要とする人々が増加しています。ISSJでは本年から、文化的・社会的背景、また健康状態等様々な理由から、就労支援が難しい女性の難民申請者を対象に、手芸品の作成指導を行う自立支援事業を始めました。このプログラムは、生活適応援助業務の一環として、第三水曜日の午前中にISSJの面
接室にて実施しています。就学年齢に達していない子どもがいる場合は、一緒に参加してもらい、今まではアクリルたわし作りに取り組んできました。最近、参加者から「レース網に挑戦したい」との希望が出され、新たな作品作りに取り組む予定です。ゆくゆくは、女性たちが手掛けた作品をISSJの映画会のバザーや、他のイベント等に出品し、売上金を女性たちに還元していきたいと考えています。ISSJでは、この支援事業が女性たちの情報交換の場、または自助グループとしての機能を担えるよう、側面
的な支援を続けていきたいと思っています。しかしながら、難民申請者の多くは、少しでも安価な住居を求めて、郊外に居住地を構えているため、中目黒にあるISSJの事務所まで通
うことが難しい女性たちもいます。限られた予算のなかで、女性たちのニーズに応え、少しでも多くの人々を集えるプログラムをいかに展開していくか、が今後の課題です。ボランティアで彼女たちに手芸・工芸の指導をしてくださる方を求めています。オフィスまでご連絡ください。

