フィリピンDSWD研修生報告
ロドラ・バハ
 

 

2000年7月8日に来日し、1年間のISSJでの研修プログラムが終りました。今回の帰国にあたっては、児童相談所から本国に送還するフィリピン人の子どもに同行してほしいとの依頼がありました。子どもの渡航費はフィリピン航空が負担してくださり、無事に業務を終えることができました。研修中は異文化に触れ、はじめはホームシックにかかりましたが、ISSJのスタッフの励ましと援助を受け、日本の伝統とフィリピンにはない四季の移り変わりを経験し、特に雪を見たのは初めてで素晴らしい時を過ごしました。

近年、オーバーステイのフィリピン人の母親から生まれる子どものケースが増えています。父親は、オーバーステイのフィリピン人、日本人、他国人で、その大多数は非婚のカップルです。多くの子どもたちは非嫡出子やオーバーステイとみなされ、大使館に届けを出したらフィリピンに送還されるかもしれないという恐れから、出生届が未提出のケースもあります。親が帰国の意志がない場合、子どもを託児所に預けて働いたり、子どもだけをフィリピンに帰す方法を考えます。ISSJを通 して帰国させることが安心なやり方ですが、ケースのいくつかは、ISSJとDSWDの調査や書類作成などの手続き抜きに、グループや団体の援助を受けて子どもをフィリピンにすぐに送る親もいるようです。この料金は30万円かかるそうです。これを通 して子どもの「密売買」が行われるなど非常に問題です。絶対にこの方法は止めるべきです。そこで、今回私どもはフィリピン大使館にこれに関して言及し、フィリピンに行く子ども達の入念な調査の依頼と同伴者(escort)の名前を子どものTravel Documentの中に記載することの提案もしました。こうすれば子どもを守ることができるでしょう。

養子縁組のケースでは、日本人/フィリピン人とアメリカ人/フィリピン人夫婦の、ISSJが作成する家庭調査なしにフィリピンで養子縁組手続きを終えてしまうケースが多くあります。

見合い結婚や外国人在留資格取得のための結婚がここでは多く、問題となるのは、愛情と理解の土台が欠けており結婚が長続きしないケースがほとんどです。これに関しては、日本人と結婚するため、あるいは日本人の夫の元にくるために来日するフィリピン人女性に、彼女らの役割責任をよく認識させるために出国する時にオリエンテーションをもっと行うべきでしょう。もし、問題が起こった場合に援助が受けられる機関・団体を前もって知っておくことも重要だと考えられます。

今後、DSWDのソーシャルワーカーとして研修プログラムを通じて得たこの経験を、2国間の家族・子ども達へより良い援助ができるようフィリピンで生かしていきたいと思います。

最後に一年間の研修プログラムに補助をして下さいました日本財団に心よりお礼を申し上げます。
(フィリピン、バガンダスにて)