ASEAN=Japan Exchanage Year 2003
カンボジア・スタディツアー報告
ISSJはカンボジアの首都プノンペン市郊外にあるチャムロンパル村に建設した極貧家庭の子ども達のためのデイケアセンター『プティアニョニョム』で、子どものためのケアテイカーの人材育成プログラムを実施しています。
スタディツアーでプテアの子ども達と交流
今年は日本・カンボジア外交樹立50周年であり、又アセアン−日本友好年で、日本とカンボジアの政府が協力し様々なプログラムが実施されました。ISSJのスタディツアーも日本の外務省から友好年の正式プログラムとして認定され、11月2日から7日まで後記の日程で実施しました。14名が参加し、ISSJのプティアニョニョムの活動や郊外での衛生・栄養教育への参加、さらに孤児院やストリートチルドレンの職業訓練施設、地雷やポリオで障害を持った人への職業訓練施設の見学や、同行したハーピスト池田千鶴子さんのハープ演奏会を実施しました。それにあわせて2日から9日までISSJスタッフ2名は日本郵政公社国際ボランティア貯金に係る寄付金でカンボジアでの人材育成プログラムを行いました。
グランドハープがカンボジアに運び込まれるのはカンボジアの紛争終結後初めてということで、日本からバンコク経由でプノンペンまで、多くの人々のご協力で実現できました。日本航空の方にはハープの日本から運び出すところで協力を頂きました。また世一トラベルはバンコクからカンボジアへの運び込みと、プノンペンの国際空港からホテルまでの運搬を手配してくださいました。驚いたことに、カンボジアではフォークリフトが道路を走るには政府の許可が要るのだそうですが、その日が王様の誕生日で祭日になったため、許可が取れず、現地に会社を設立している小市琢磨氏のご協力でクレーン車を頼みました。当初クレーン車で、形もバランスも不安定な総重量 250Kgある箱入りのハープを吊り上げることに危惧しましたが、布製の紐1本で見事にバランスを取りながら吊り上げるカンボジアの人の優れた技術を知ることが出来ました。ハイテクではない人間の持つ知恵とプロフェッショナルな技術の美しさにハイテクが全てではないと実感しました。
元気なプテアの子ども達なお、ISSJスタッフ2名は11月9日の帰国まで、プノンペンにて『プティアニョニョム』のスタッフから7月からの活動報告を受けると共に、今後のプログラムの進め方を話し合いました。スタッフからは郊外の学校で衛生教育をした後、学校の先生方が引き続き子ども達に指導するために少なくとも洗面 器や石鹸、タオルを学校に備え付けたいと要請があり、この活動が効果をもたらし始めたことがわかりました。さらに学校に行き始めても補習校に行かれない子ども達のために、『プティアニョニョム』の部屋を開放して、放課後に勉強の補習をみたいとの希望も出てきたので、試行することにしました。
さらにストリートウーマンといわれる、路上で生活をしていた女性や母子の救済のために職業訓練及び宿泊施設を提供しているクリスチャングループ『タビタ』を訪問し、ISSJの活動を自立させるために、情報をもらいました。また、日本のNGOが指導しているという職業自立センター『クロマー・クローズ・ショップ&オーカエウ』を訪問しました。女性達がミシンで洋服やバッグ、小物など作っていました。
ISSJがカンボジアで活動を始めたころに比べて、職業訓練施設は急増していますし、その作品も上達しております。しかしいずれの訓練施設も販売ルートの開発が困難なため、自立のための資金を得るのは大変であるということでした。販売ルートの開発は今後の重要な問題になることでしょう。そこが出来て初めて自立が可能になると思います。
ISSJが今、カンボジアの様々なNGOや政府の施設と交流を持つことが出来るようになり、それは継続して同じプログラムをすることで実現出来たことであり、人材育成の大切さが現地の人々にも理解されるようになってきたことは、嬉しいことです。これからも何とかこのプログラムを継続することで、現地の人々に福祉活動の大切さを啓蒙することが出来ればと願っています。
池田さんのハープの音色にカンボジアの人々は感動
スタディツアーの日程11月2日 バンコク経由カンボジア・プノンペンへ 11月3日 午前中は、貧困家庭の子どものためのデイケアセンター『プティニョニョム』(日本語訳――にこにこの家)を訪問、学校や補習校に行かれない子ども達と一緒に遊んだり、識字・衛生・栄養教育を見学。
午後は、オーストラリアのNGOが運営するストリート チルドレンのための施設『The Friend』を見学。学校の授業についていくための知識が不足している子どものための教室、テレビやパソコンの修理、冷蔵庫等家電製品修理、自転車・オートバイ・車の修理、木工、編物、縫製、美容師、コック、ウエイター、ウエイトレス養成等様々な職業訓練を行っていた。子ども達の歌と踊りを見学すると共に、池田千鶴子さんのハープ演奏を行った。
11月4日 午前中は、プノンペン郊外のカンダール州ウドンの学校を訪問、紙芝居や本による識字教育、洗面 器一杯の水と石鹸とコップ1杯の水を使って手を洗うなど衛生教育、パネルを使っての栄養教育を行った。その後子ども達との交流とハープ演奏を行った。
午後は、地雷で障害を負った人々のための木工、コンピューター、織物、洋裁等の訓練施設『ワット・タン』を見学し、訓練生との交流及びハープ演奏を行った。
夕方から日本大使館多目的ホールにて『キエンクリエン孤児院』の子ども50名と日本語学校の生徒や現地の人たちを招待し、グランドハープの演奏会を開催。11月5日 シュムレアップへ移動
アンコールワット見学・ハープ演奏11月6日 トンレサップ湖上で生活する水上生活者を訪問。
プノンペンやアンコール遺跡から追い出された貧しい家族の人々が湖の周辺に居住。観光客が来ると指で口を指し、食べるものを頂戴とねだる子どもたちが大勢いた。水上生活をする人達の中には隣国のベトナムから来ている家族もいた。学校も湖の中の船、住まいも船、通 学船で通いた。政府は隣国からも流れ込んでくる人が大勢いるし、犯罪者が入り込みやすい環境になっていることから、環境整備や、漁師として生きている人々の保護に心を砕いている状況だった。
アンコールトム見学
バンコク経由で帰国の途へ11月7日 帰国
水上生活者の住居